埼玉のアパート経営成功事例3選―実例から見えた「判断のポイント」

埼玉でアパート経営を考えるとき、「立地が良ければ成功する」と思っていませんか?結論から言うと、成功を分けるのは立地ではなく、「ニーズに合わせた間取りの選定・土地条件・オーナーの目的の明確化」の3つです。なぜなら、同じエリア・同じような土地でも、この3つが揃っていないと、「間取りが合わない」「無理な配置になる」「想定通りの収益が出ない」といったズレが生まれ、結果として空室や収支に大きな差がでるからです。
実際に成功しているアパートでは、次の3つが整理されています。
- どんな間取りが求められるか(間取り)
- その土地で無理なく成立するか(土地条件)
- 何のために建てるのか(オーナーの目的)
一般的に言われている数値だけでは、アパート経営が成立するかどうかは判断できません。駅徒歩や利回り、戸数といった条件が良くても、自分の土地で成立するとは限らないからです。そこで本記事では、埼玉で実際にアパート経営がうまく進んでいる3つの実例を取り上げ、数字の結果だけでなく、そこに至るまでの考え方を整理して紹介します。読み進めることで、あなたの土地でアパート経営が成り立つどうかの判断軸が見えてくるはずです。
埼玉で成功したアパート経営の実例3選
まずは、埼玉で実際に成功しているアパート経営の事例を見ていきます。ここで注目してほしいのは、利回りや戸数といった「数字」ではありません。見るべきポイントは、その計画がどのような考え方の組み合わせで成り立っているかです。同じエリア・似た条件の土地であっても、考え方の違いによって結果は大きく変わります。その違いに着目しながら、各事例を見ていきましょう。
事例 | 区域 | 土地条件 | 間取り | 収支(満室想定) | 成功ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
①富士見市 | 市街化区域 | 210㎡/宅地+畑 | 2LDK×3戸 | 年収396万 (利回り約10%) | 相続対策 |
②朝霞市 | 市街化区域 | 129㎡/宅地 | 1K+mini1LDK×9戸 | 年収800万 (利回り約5%) | 駅チカ活用 |
③日高市 | 市街化区域 | 479㎡/宅地 | 1LDK×15戸 | 年収1,332万 (利回り約6.6〜8.8%) | デザイン性 |
※収支はすべて「満室想定」の概算値です。実際の収益は入居状況・運営条件・管理費等により変動します。
事例①富士見市:相続対策と老後収入を両立した2LDK×3戸
富士見市の事例は、月極駐車場として活用していた土地を相続を見据えてアパートに転用し、完成前に満室となったケースです。
- 相談当初の不安
オーナー様が悩まれていたのは、「相続を考えた時この土地に何を建てるのが正解なのか」という点でした。1Kや1LDKで戸数を増やすべきか、長く住める間取りを優先すべきかなど複数のプランを比較しました。 - 採用したプランとその理由
最終的に採用したのは、2LDKメゾネットタイプ×3戸です。周辺エリアは、単身向けが中心で2LDKは供給が少ないエリア。だからこそ、競争になりにくい間取り、長く住んでもらえる層を狙うという考え方で、戸数ではなく「安定性」を優先しました。またモデルルームを実際に確認し、「この仕様なら安心して貸せる」と納得感を持てたことも判断の後押しになりました。 - 土地条件
本計画地は約210㎡。しかし敷地の一部が登記上「道路」として残っており、そのままでは建築面積に含められない状態でした。つまり、見た目は自分の土地でも、法的には建物を建てられない部分が含まれていたのです。そこで行ったのが「廃道処理」です。行政に申請し、実際に道路として使われていないことを確認したうえで、道路指定の整理を実施しました。これにより、建築計画上「使える敷地」と「使えない敷地」を明確にした状態で計画をすすめることができました。
もしこの整理をせずに進めていれば、
・想定より建物が小さくなる
・戸数が減る可能性がある
・将来売却時に評価が不利になる
といったリスクがありました。廃道処理を行ったことで、有効な宅地面積が明確になり、2LDK×3戸を無理なく配置できる状態が整いました。 - 成功ポイント
・住宅街に合う2LDKを選択
→単身物件が多い中で差別化し、長く住む層に選ばれやすい
・土地の制約(廃道処理)を最初に整理
→建てられる範囲を明確にし、計画のズレを防ぐ
・相続後も安定する構成を優先
→戸数よりも空室リスクを抑え、長期運用を見据えた判断

事例②朝霞市:駅チカを活かした1K+mini1LDK×9戸
朝霞市の事例は、駅徒歩圏という立地に甘えず、構成を工夫したことで成果につながったケースです。
- 相談当初の不安
オーナー様のいちばんの不安は、「老後収入は欲しいが管理に追われる経営はしたくない」という点でした。収益性だけでなく、長く無理なく続けられるかどうかを重視していました。また、敷地には高低差があり、この土地で安定した計画ができるのかという不安もありました。 - 採用したプランとその理由
採用したのは、1K+mini1LDKのミックス構成です。ここでいう「mini1LDK」とは、1Kよりも広く1LDKほどの面積はないものの寝室とリビングを分けたコンパクトな1LDKタイプの間取りです。1Kは居室が一体のためシンプルで家賃を抑えやすい一方、生活スペースと寝る場所が分かれていない点を不便に感じる方もいます。
逆に1LDKは快適性が高い反面、賃料が上がりやすく、エリアによっては「そこまでの広さや家賃は求めていない」という層も一定数存在します。朝霞市は都内通勤者が多く、利便性と家賃のバランスを取りながら住まいを選ぶ層が中心です。そのため、「ワンルームでは狭いが、1LDKほどの広さや家賃までは必要ない」と感じる層が一定数存在します。mini1LDKは、そうした層に対して、「広さ」ではなく「使い方」で満足度を高める間取りです。
今回の計画では、オーナー様の「戸数を確保したい」というご意向を前提に、戸数は維持しながら、1Kとmini1LDKを組み合わせることで入居の間口を広げました。結果として、単身向けの需要を取り込みつつ、単純な1K同士の比較に陥りにくい構成となり、安定した入居につながる計画となっています。 - 土地条件
本物件は、約129㎡の敷地に加え、高低差がある土地という特徴がありました。当初は、ゴミ回収などの管理効率を考え、駅とは反対側にエントランスを設ける案が合理的とされ、Best Stageからもその案を提案しました。しかしオーナー様は、「駅を利用する入居者にとっての使いやすさ」を重視し、高低差によって階段が増えても、エントランスの位置を駅側にしたいというご意向を持たれていました。
そこでBest Stageでは、その想いを尊重しつつ、動線や管理面を再検討したうえで、駅側エントランス案へと計画を変更しました。結果として、効率だけではなく、入居者目線と運用のバランスを取った設計となりました。 - 成功のポイント
・1K+mini1LDKの構成を採用
→間取り検索の幅を広げ、戸数を維持したまま入居の間口を広げた
・高低差という土地条件を踏まえ、動線を再設計
→入居者の使いやすさを重視し、長く選ばれる配置とした
・戸数確保と管理負担のバランスを重視
→老後も無理なく続けたいという目的に合わせた計画とした

事例③日高市:好立地を活かした1LDK×15戸
日高市の事例は、「立地が良い」からこそ何を優先するかを慎重に判断したケースです。
- 相談当初の不安
オーナー様が最も悩まれていたのは、「この駅前立地をどう活かすべきか」という点でした。戸数を最大化するのか。建物の質を高めるのか。駅前だからこそ安易に決めたくない、という慎重さがありました。 - 採用したプランとその理由
採用したのは、1LDK(約40㎡)×15戸です。本計画地は駅徒歩圏で、都内通勤圏にあたるエリアです。周辺には医療施設や商業施設もあります。
そのため、
・都内へ通勤する単身社会人
・地元勤務の医療・サービス業従事者
・二人暮らしのDINKS層
といった、「ワンルームでは物足りないがファミリー向けまでは不要な層」を想定しました。ワンルームでは競争になりやすく、2LDKでは供給過多になる可能性もある。そこで約40㎡前後の1LDKに絞る判断をしました。さらにこの土地は、駅のホームや電車内からも見える「視認される立地」であることが特徴でした。そこで、戸数の最大化ではなく、立地の価値を外観で可視化することを優先しました。その判断から、外観に特徴のあるカメリアを採用しました。
※カメリア:モールディングと吹付仕上げによる立体感のある外観が特徴のBestStageの商品。視認性の高い立地と相性が良く、賃料設定の根拠にもなりやすいアパート商品。 - 土地条件
本物件は、駅前かつ視認性の高い立地でした。このような立地では、同じ条件でも「何を優先するか」で計画が大きく変わります。本事例では、「戸数を増やして収益を優先するか」「建物の印象で価値を高めるか」という選択の中で、立地の強みを外観として表現することを優先しました。 - 成功のポイント
・入居者像を具体化し、1LDKに絞った
→ターゲットを明確にし、需要に合った間取りで入居につながりやすくした
・駅前立地を外観価値に転換した
→建物そのものを差別化要素とし、立地の強みを最大限に活かした
・立地の価値の使い方を重視
→戸数最大化ではなく、資産価値と賃料の安定性を優先した計画とした

成功事例に共通する「成功の条件」3つ
1章では、埼玉で実際に成功している3つの事例を見てきました。ここからは、それぞれの事例に共通していた考え方を分解し、アパート経営が成立する条件を整理していきます。事例をそのまま真似るのではなく、「なぜその計画が成立しているのか」を理解し、自分の土地に当てはめて判断できるように見ていきましょう。
条件1:入居者ニーズに合った間取り選定
アパート経営では、「入居者ニーズに合った間取り選定」が最も重要です。なぜなら、立地が良くても間取りが合っていなければ、入居は決まらないからです。埼玉は、東京への通勤圏が広く、同じ県内でも駅や沿線ごとに入居者像が大きく異なります。
例えば、
- 東武東上線・西武線沿線エリア
→ 都内通勤者が多く、1K〜1LDKの単身・DINKS向け需要が安定している傾向があります。 - JR京浜東北線・埼京線沿線エリア
→都内近接エリアでは供給も多く、単純なワンルームでは競争が生まれやすいケースも見られます。 - 駅から距離のある郊外エリア
→ 車利用を前提とした生活が多く、駐車場付きや2LDKなどが安定しやすい傾向もあります。
もちろん、同じ沿線でも駅距離や周辺環境によって事情は異なります。しかし、実務上はこのような傾向を前提に計画を立てるケースが一般的です。
埼玉では、「東京ほど家賃は出せないが、住環境にはこだわりたい」という入居者層が一定数存在します。そのため、「戸数最大化を優先した極端なワンルーム」や「利回り重視で狭さを追求した間取り」よりも、「その沿線で無理なく選ばれる広さ」を押さえることが、結果として空室リスクを抑えることにつながります。
1章の事例でも、
- 【富士見市】静かな住宅街→DINKS・ファミリー層→2LDKメゾネット
- 【朝霞市】駅チカ&大学近く→単身者・学生→1K+mini1LDK
- 【日高市】生活利便の高い立地→単身~DINKS→全戸1LDK
とすべて「入居者像」から設計を始めていました。
このように、入居者のニーズを徹底的にリサーチした上で間取りを決めることが、アパート経営では重要になります。
条件2:土地条件を活かした最適設計
アパート経営では、「土地条件に合わせた設計」ができなければ成立しません。なぜなら、どれだけ需要に合った間取りでも、その土地で無理なく建てられなければ意味がないからです。埼玉の土地は、エリアによって前提条件が大きく異なります。
例えば、
- 元農地を転用した広めの整形地が多い地域
- 旗竿地(道路から細い通路上の敷地で接道する土地)や間口の狭い分譲地
- 私道負担のある区画
- 高低差のある丘陵地帯
など土地ごとに前提条件はさまざまです。特に郊外エリアでは、「建てられるかどうか」の確認が計画の出発点になるケースも少なくありません。
そのため、埼玉では、
- 駐車場が何台確保できるか
- 車の出入りが安全か
- ゴミ置き場が無理なく配置できるか
といった生活導線まで含めた設計が重要になります。
1章の事例でも、
- 【富士見市】廃道処理で有効面積を確定→無理のない2LDK×3戸が成立
- 【朝霞市】高低差を踏まえて動線を再設計→動線と配置の工夫で9戸を成立
- 【日高市】駅前で視認性の高い整形地→外観と見え方を活かした1LDK×15戸を成立
といずれも土地条件に合わせて計画を組み立てていました。つまり、「建てたいものを当てはめる」のではなく、その土地に合わせて成立させることが重要です。
条件3:オーナー目的に沿った事業計画
アパート経営では、「オーナーの目的を最初に明確にすること」が計画の前提になります。なぜなら、目的が曖昧なまま進めると途中で判断がブレてしまうからです。
埼玉でアパート経営を検討する方の多くは、「相続した土地の活用」「老後収入の確保」「資産の組み換え」など、目的を持って検討しています。これらを整理することで、間取りや設計の方向性も自然と決まります。目的は大きく、次の3つに分けて考えることができます。
- 毎月の安定収入を確保したい
「長く住んでもらえるか」がポイントになります。1LDKや、DINKS向けの2LDK・メゾネットなど、生活の変化に対応しやすい間取りは更新が続きやすく、入退去の波も穏やかになります。 - 資産価値を維持し、売却も視野に入れたい
将来的な売却を考える場合は、貸しやすさと売りやすさの両立が必要です。単身から二人暮らしまで需要のある1LDKは、入居者層が限定されにくく、ライフステージの変化にも対応しやすいため、空室や退去のリスクが読み取りやすい間取りです。 - 相続税対策として活用したい
評価額を抑えつつ家族が引き継ぎやすい形にすることが大切です。無理に戸数を増やして利回りだけを追うよりも、入れ替えが穏やかで管理負担の少ない構成のほうが、結果的に安心して保有しやすくなります。
1章の事例でも、
- 【富士見市】相続対策+老後収入 → 長期入居しやすい2LDKメゾネット
- 【朝霞市】資産形成+運用効率 → 1K+mini1LDKで需要を分散
- 【日高市】資産価値+賃料の底上げ → 外観×1LDK×15戸
と目的から逆算して計画されています。結果として、目的を先に決めることでブレのない計画を組むことができます。
成功事例から見えた判断ポイントの整理
ここまで見てきた内容をもとに、次の3つを自分の土地に当てはめて考えてみて下さい。
- その立地で、想定している入居者に「選ばれる間取り」になっているか?
- その土地条件で、無理のない配置・動線で計画できているか?
- その計画が、自分の目的(収入・相続・資産)に合っているか?
この3つに対して、「なぜそう言えるのか」を自分の言葉で説明できるのであれば、アパート経営として成立する可能性は高いと言えます。
逆に、どこか一つでも曖昧なままの場合は、その部分を整理することが重要です。アパート経営は、「なんとなく良さそう」で進めると、後からズレが大きくなります。一度立ち止まって整理することで、自分の土地に合った現実的な選択肢が見えてきます。ここからが、アパート経営を具体的に検討していくスタートです!

